投扇興の遊び方

ゲームを取り仕切るのは、審判の「司扇人」です。対戦者の中央に座り、競技はこの司扇人の「礼」の合図で始まります。対戦者が扇子を投じるごとに判定を下し、点式銘を宣します。すると、後ろに控えた「歌扇人」が、その銘にあてられた百人一首を読み上げます。そして、文机についた記録係の「書扇人」が、両者の得点を「投扇興之記」に書き留めていきます。
競技者は「花方」と「雪方」に分かれ、花方が先行で扇子を投げます。扇子を回転させ、枕と呼ばれる台座の上の蝶めがけて投げます。交互に五本ずつ投げて前半戦は終了です。後半戦は場所を入れ替わり、同じように五本の扇子を投げます。ゲームが終了すると得点を集計し、扇子とお道具を元の形に整えて、司扇人が勝敗を宣し、「礼」をして終わります。
投扇興は優雅な作法や、趣向を凝らした面白いルールが興趣をそそる豊かな遊戯なのです。

道具

ふわりと飛ばせるよう、骨を薄く少なくすることで軽量化された投扇興専用の規格で作られたものを用いることが多い。
扇子の表裏には「花」と「雪」の文字が書かれており、これは競技者の「場」を示します。

的となる「蝶」を置く台座。枕の四面には「雪・月・花・遊」の四文字が書き込まれていますが、それは「雪月花に遊ぶ」という趣向で記されたものです

枕の上に立てる的。両端に鈴が吊られ、上部に張られた絹のちりめん生地には香木が仕込まれ、落とすと良い香りが漂います。表と裏は異なる模様で彩られています。